私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
だけど……。
《花に水を与え過ぎるほど、その根を腐らせてしまうでしょう》
……もし、老師の言ったことが正しければ、それでいい。
間違ってなんかないのだから。
『もう完全回復に近いぞ?ありがとな!って、イヒヒヒ……』
人型魔族は、私を捕らえたまま、引き続きニヤニヤと私を嘲笑いながら、私のやることを黙って見ているようだ。
頼んでもいないのに治癒をかけ続けてくる私を滑稽に思っているのか。何の警戒もしていない。
……だが、そこが落とし穴だ。
『……?』
人型魔族は、首を傾げる。
完全回復を越えたにも関わらず、未だ全力で治癒をかけ続ける私を不審に思ったよう。
そして、自らの異変に気付いたのか、顔色を変えた。
『……貴様!』
人型魔族は、私を捕らえた手を咄嗟に離す。
慌てて治癒の術陣から離れようとするが……時すでに遅し、だ。
(……きた)
満を時して、頭の中に言霊が降ってくる。
それは、奥義発動の証。
「……聖なる光が放る、純白の毒……」