私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
もちろん、遠くからではあるがここでその真実を初めて耳にした私も驚いた。
聖威が……【宿曜】?!
そんな事、一言も……!
とはいっても。上からの圧力という言えない事情があったのだから、仕方ない。
それに……聖威だって、星宿院家【宿曜】の一族の直系だ。
聖威が【宿曜】を継承していても、不思議ではない。
その、神々しく尊い神力……妙に納得してしまった。
いや、むしろ、架威は気付かなかったのだろうか?自分ではなく、実の妹が【宿曜】を継承しているという可能性を。
「兄上、もしや……兄上ではなく、この私が【宿曜】を継いでいるとは、考えもしませんでしたか?」
「な、何!」
「まあ、兄上に比べたら、私は神術士としてはまだまだ未熟……決して優れているとは言えない。私のことなど眼中にもなかったのでしょうね。ですが……【宿曜】の継承に必要なのは、神術士としての才能ではない」
「な、何だと、それは」
「必要なのは、ただ一つ。『選ばれること』ですよ」
「な……に」
架威の顔が、今にも増して険しくなる。