私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
38.ケリは私がつける
聖威の選んだ『覚悟』とは。
架威にとっては、最も非情で残酷なものだった。
あんなに魅せられていた『聖域』が、自分の命を脅かすものとなるのだから。
『……【三宝荒神】!』
聖威の手元にある星宿権杖からは、大きく強い光が放たれ、私たちの視界を一瞬にして真っ白にした。
目を開けていられず、反射的に目を伏せる。
同時に、魔獣らの悍ましく耳障りな奇声が、あちらこちらに響いて聞こえてきた。
何が起こっているのか……わからない。
だが、光が落ち着いて、恐る恐る目を開けてみると。
そこに広がる光景に、自分の目を疑うほど驚かされる。
(こ、これは……!)
大広間を占領するかのようにひしめく魔獣が、半分ほど姿を消していた。跡形もなく。
残っているのは、人型魔族や身体の大きい魔獣のみで。それでも、奇声をあげながら、大きな身体をゴロゴロと転がし、地にのたうち回っている魔獣が何匹かいた。
まるで、痛みに藻掻くかのように。
「恐らく、『聖域』の力に当てられたんだよ」
隣にいる天王様が、呟く。
「……『聖域』の扉が、少し開いたんだ」