私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

しかし、肝心の架威の姿が見当たらない。

逃げていた背中はもちろん、『聖域』の神力に当てられて、そこらに倒れている様子もない。

捕らえることに成功して、『聖域』の中に閉じ込められた?消滅した?……という割には、聖威らが焦って探す様子が不安を呼ぶ。



これは……一体、どうしたのだろうか。

ひょっとして、今の『聖域』の光から逃げた……?!



「逃げたみたいだね……」



隣にいる天王様が徐に呟く。

やはりそうなのか……と、茫然としてしまう。

こんな土壇場で逃げられるなんて。聖威たちの今までの努力が……。



「でも、どうやって……」

そう呟いて、顔を上げて天王様の方を向く。

天王様も、私の傍から離れずとも、辺りをキョロキョロと見回して、架威の姿を探しているようだ。

そして、首を傾げる。

「ここに、彼の『気』は残ってるような気がする……」

「え?」

「確か、彼は【擬態術式】を得意とするよね。ひょっとして……何か別の姿に擬態してるんじゃ」

「え!」

天王様、どうしてそんなに頭が回るの?なんて天才なんでしょう!

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