私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「兄上は聖威に対してアホみたいに過保護すぎるんだよ。実の弟として、ホント恥ずかしすぎる」
「しゃあねぇよ。架威様に【宿曜】が聖威だとバレてもうた。狙われるのわかってるから、総統はあれだけ反対してたというに」
「ホンっトに、この姫様って立場どうにかしたいんだけど。今の私は大防衛軍の一軍人だっつーの」
三人の話を黙って聞きながらも、私は何となく上の空でいた。
……聖威が、みんなが月輪界に帰ってしまう。
この楽しい日々がずっと続くと思ってはいなかったけど、こんなにも突然別れがやってくるとも思いはしなかった。
「み、みんな、いつ帰るの……?」
恐る恐ると問うと、三人は一斉にこっちを見た。
「うーん、明日かな」
「明日っ?!」
「うん。早急に迎えを寄越すって言ってたから、明日には到着するだろうな」
そんなに早く突然に帰ってしまうとも思わなかった。
どうしよう、心の準備も何も出来てない。
内心狼狽えてはいるもの、どうしていいかわからず。
何の反応も示せずに、ただ固まっていた。
……でも、どうもこうもない。
住む世界が違う以上、必ず別れは来る。こうなることはわかっていたはずだ。