私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


と、言いながらも。実はものすごく眠たい。

実は、あまり本調子ではないのだ。使い果たした神力が回復しきれていない。

体は重く、頭もボーッとしていて、瞼が重いのだ。

そんな私の様子を察したのか、隣にいる聖威が私の顔を覗き込んでくる。



「あまり無理するなよ。もう寝て来い」

「い、いや大丈夫……」



ものすごく眠たいのだが、それを我慢してでもここにいる理由があった。

今日が、今晩が最後かもしれないのだ。みんなと一緒にいられるのは。

少しでも長く、こうして話していたい。



だが、生理的欲求には勝てない。

眠気に侵食されて座ったままカクカクと船を漕ぐように頭が揺れる。



「寝落ちしとるだろが!ったく、しょうがねえな……おい、銀太。お姫様抱っこだ」

「はいはい」

お姫様抱っこ?



すると、体がフワッと持ち上がった。

聖威に言われて、なんと。銀太さんが私の体を抱き上げて立ち上がる。

私を横抱きにしたまま、何処かへ進んで行ってるようだ。

抱き上げっ……ちょっと!とは思うが。

眠気に侵されていて驚く余裕もなく、なすがままになってしまう。

遠くから「舞空おやすみー!」と、翼の声がした。
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