私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「ったく、徹夜耐久レースしてるんじゃないってーの。あんな無茶なバトルしてんだから、眠たい時には眠っとけ!」
傍では、聖威の声がする。
私を抱き上げて進む銀太さんの横に並んで歩いているようだ。
「なんも聖威、俺部屋わかるから着いてこなくてもいいんだぞ」
「ばっ、おまえ!一夜の過ちが起きたらどうする!おまえが舞空を襲わないように監視だこの!」
「俺、そんなに節操ないことしねえけどな。まあ、チューぐらいはするかもな」
「ほら見ろ!男はみんなオオカミ!男は皆、下半身に動かされる生き物だ。銀太、おまえとて所詮は男だからな!」
「はいはい」
何言ってんの。なんてやりとりをしてるんだ。
私が銀太さんと?そんなこと……あるわけないでしょうが。
しかし、そう思っていても、逞しくて力強い腕の中は心地良い。体を預けていると、吸い込まれるように何度も眠りに入ってしまうかと思った。
しばらく歩いて部屋に到着する。さっきまで寝ていた部屋に逆戻りだ。
寝台の上に体をそっと降ろされる。
「じゃあ、舞空。ゆっくり休めよ?」