私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
そう言って、聖威は手を挙げて銀太さんと共に、私の寝ている寝台から離れる。
いつものように。
……でも、『いつものように』は、間もなく終わる。
それが無性に悲しくなった。
思わず、その背中を引き止めてしまう。
「……ねえ、聖威」
「ん?」
私の声に引き止められて、二人同時に立ち止まって振り返る。
聖威は踵を返して私のところに戻ってきた。
「どうした」
「……明日。勝手に帰らないでよね」
「え?」
「私が寝てる間に月輪界に帰っちゃうとかやめてよね。見送りぐらいさせて。……ありがとうだって、まだ言ってないんだから」
体も起こせないぐらい眠気に侵されている私は、ウトウトと微睡みながらも、今の本音をそのままズバッと素直に伝えてしまう。
聖威は驚いたのか目を丸くしていた。
寝ぼけ眼で何故急にこんなことを言ってくるのか?なんて。
だが、驚愕の表情も一瞬で、すぐにいつものようにフッと鼻で笑う。
いつものように。
「おいおい。私らが舞空にそんな薄情なことをすると思ってんの?」
「へ……」
「私らは仲間じゃないか。共に闘った」
「……聖威」