私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
その物体を見上げて呆けている私に、竜樹様がその正体を教えてくれる。
「あれは、月輪界大防衛軍の異次元移動飛行船だ」
「飛行船?!」
「ああ。月輪界大防衛軍は、あの異次元移動装置を使用して、異世界に出入りしている。聖威らがこの世界に来た時に使ったものは、片道用のもっと簡素で小さなものだったけど」
なるほど……月輪界は神術を使えない代わりに、こんなに便利な乗り物を発明しては使っているんだ。
こんなものを発明出来るなんて、凄いの一言だ。
その飛行船の周りには、出入り口から、上下黒い軍服を着た人が出たり入ったり、人が行き来して慌ただしくしている。
この人たちは、月輪界の軍の人たちだろうか。
そして、その中にいた。
同じ黒い服を身に付けた、聖威が。金のボタンが目立つ立襟の外套からヒダが入った膝より上の丈である短いスカートという姿だ。膝丈の黒い革靴も履いている。
「副隊長!荷物はこれで全部ですか?」
「ああ、それだけ。……あ、その段ボールだけそこ置いといて」
「わかりました!」
同じ軍服を身に付けた人たちに指示を出しているようだ。