私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
……こんな驚く形で手枷から解放されたのは良いのだけれども。
私の中は、まだ疑問だらけだ。
冤罪ではあるが罪人として護送されていた私が、何故、この人たちに拐われてここにいるのか。
そして、ここはどこ。
「取り敢えず舞空お嬢さん、向こうの部屋行こうか?」
「あ、あのっ……」
「詳しい説明は、俺らのボスが来てから。まあ、まずはゆっくりしようじゃないか」
「……」
疑問をぶつけようとしたら、躱された。
ボス?……まだここに誰か来るの?!
「おい、翼(たすく)。ボスは私だろ」
案内された先の部屋では、一足先に戻っていた聖威という少女が腰に手を当て、仁王立ちして待ち構えていた。
口を尖らせてそんな台詞を言う彼女を、翼と呼ばれた彼は「わはは」と笑い飛ばす。
「潜入でやらかしたのに、ボスって胸張れる図々しさパネェ。やらかし隊長?ぶっ」
「なっ!……う、うるさいぞ!人のこと言えるのかおまえ!おまえも潜入でやらかしてんだろ!」
「わははは。それはご愛嬌!」
「ご愛嬌じゃねぇ!この、魔族大っ嫌い神族が住まう天界の青い空を、その『黒翼』披露して大いに飛び回るとか大問題だぞ!おまえも図々しさパネェだろが!」