私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「父上、兄上!この乗り物、すげーかっくいーよ!俺も欲しいー!ギューンってなって、ピカーッてなるんだ!」
「わはは。坊ちゃん、それじゃ中のカッコよさ伝わんねーぞ?もっと詳しく説明してやれ?」
天子様の後ろからはやはり、翼が笑いながら出てきた。
銀太さんもその後に続いて飛行船から出て来る。
二人で天子様に中を案内してたの……。
「おいおい、見せもんじゃねえぞ。何やってるんだおまえらは」
聖威が顔を引き攣らせ、呆れて二人を見る。
翼はやはり「わははは」と笑っていた。
「社会勉強っすよー。坊ちゃんの将来のために!出立準備の邪魔にはなってませんよー!ぐふふ」
「まったく……」
聖威と翼のいつものやり取りを眺めていると、銀太さんが「よっ」と手を挙げてこっちにやってきた。
「おはようございます、銀太さん」
「舞空、体調はどうだ?」
「おかげさまでもう大丈夫です!」
これも、いつものやり取り。……に、なっていた。
だけど、時間は待ってくれない。
もうすぐ、別れの時が来る。