私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
42.また逢えるその時まで、約束
あの物々しい大きな異次元移動飛行船の周りでは、軍人がバタバタと準備に行き交っていたのも、束の間。
一人、また一人、飛行船の中に入っていき、次第に人の数が減っていく。辺りも少しずつ静まってきた。
空気でわかる。準備が着々と進んで終わりつつあることを。
「隊長、間もなく出立準備完了します!」
「了解、ご苦労」
……ああ、もう行ってしまうんだ。
言付けにきた軍人も、飛行船の中に入ってしまい、目の前に残されたのは、聖威と翼と銀太さんの、共に戦った三人。
あの隊長さんが少し離れたところにいる。
もう、別れの時だ。
「舞空、世話になったな」
私の目の前には、お揃いの軍服を着た三人が並んでいる。
こうして見ると……手の届かないところにいってしまうんだと思ってしまった。昨日までは確かに、日常の暮らしを共にしていたはずなのに。
料理や洗濯、掃除。初めて出会った時の衝撃や、一緒に剣術大会に乗り込んだことから、日常の些細な会話まで。
短い間のはずなのに、凝縮された日々の思い出が私の頭を通り過ぎた。
「……ううん、私の方こそ。三人が助けてくれなかったら、今ここには居なかったよ」