私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
43.手の届くとこまで上がってきな
一人前の神術士になったらまた逢える、だなんて曖昧で実現可能かどうかなんて、全くわからない。
……でも、この『約束』さえあれば。
みんなと離れても私は、この世界で一人で歩いていけるような気がしたんだ。
いつかまた逢える、曖昧でもいい。そんな約束を信じて。
前を向いて、胸を張って。
どこまでも行けるんじゃないかって。
そんなような気がした。
「……」
聖威の目がどんどん見開いていく。
驚きの表情が、不敵な笑みに変わっていった。
「……ははっ!ざまあにしちゃあ、こりゃ良い結末だな?」
ついには、声を出して笑う。
「何それ。笑えるの?人の一大決意を」
「あほ。嘲笑じゃねえぞ?歓喜!喜びの笑いだっつーの!」
「……あははっ」
つられて、私も笑ってしまった。
そしてもう一度、問い掛ける。
「……ねえ、聖威?」
「ははっ。何だよ。何度も聞いてきやがって」
「どう?私……神術士になれるかな?」
恐る恐ると伺いながら聞いてみると、聖威は満面の笑みで応えてくれる。
何の疑いもなく、言い切ってくれたのだ。
「……なれる!なれるさ!舞空なら、きっとなれる!立派な一人前の神術士に、な?」