私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


そして、隊長さんに誘導されて、三人は飛行船の中へと乗り込んでいった。

私らに手を振りながら。



私もずっと手を振っていた。

心の中で「ありがとう」をずっと言い続けながら。



隣にいる豹牙様と一緒になって、精一杯手を振り続けた。

三人の姿が見えなくなり、飛行船の扉が閉まるまで。



扉が閉まると、飛行船はガシャンガシャン!と音を鳴らしていた。

飛行船が動いた!

とうとう、飛び立つのだ。



……でも、ここ室内だよね?どうやって?

天井突き破るの?!

と、疑問が頭を駆け巡り始めたら、飛行船からバチバチとは火花が飛び散り始めた。

それはやがて全体を覆い、飛行船がフワッと浮上したのだった。



とうとう、飛行船が飛び立つ。

胸の前で両手を握り、その様を黙って見守っていた。



地からゆっくりと離れていく飛行船。

……だが、その時。



「……舞空っ!!」



浮上しているにも関わらず、一度は閉まったはずの扉が、急にガバッと開いた。

突然の開閉に不意を突かれて、思わず体を震わせてしまう。

……扉の向こうには、聖威が。



「し、聖威?!」

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