私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
風に煽られて、扉の端に掴まりながらやっと立っていて。
その不敵な笑みを見せて、私を見下ろしていた。
扉の奥からは「ち、ちょっと!副隊長何開けてるんですか!」「早く!早く閉めてよ!書類が飛ぶ!」など、部下らの狼狽えている声がした。
飛行船は浮上してるのに、扉を開けてしまうなんて!一体何を……!
「し、聖威?!何してんの!危なっ……」
「舞空!おまえは絶っっ対、神術士になれる!」
「へ……」
もしかして、そんなことをただ告げるために、危ない中、扉を開けたの?!
言い忘れたことでもないのに!
だが、聖威は地上で慌てている私らのことなんてお構いなしに、自分の想いを私に向かって叫び続けていた。
「この私が言うんだから、絶対になれる!間違いない!すげー神術士になれるぞ舞空はぁぁっ!」
「ちょっ……」
「どうせなら、派手に夢見ようじゃないか!」
……聖威。
もう、恥ずかしいって。みんな聞いてるよ!
でも、こんな不意の状況にも関わらず。私の目からは何故か、涙が溢れて止まらなかった。
腹の底から、震えるものが込み上げてきて、熱い。
そんな衝動につられて、私も叫んで答えた。
「……聖威っ!ありがとう!……私、絶対に神術士になる!……なるよ!」