私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「随分騒がしいね?……あれ、韋駄天?療養中の貴殿が何故ここに?」
「お、おおぉぉ!天王様!」
「また、舞空嬢への謝罪で突撃しちゃったの?それは療養が済んでからと、昨日言ったはずなんだけど」
「も、申し訳ありません!黙って寝ているなど性に合わないもので、つい……!」
彼の登場に、韋駄天様はまたしても平伏してしまった。本当に地に減り込みかけている。
この四阿に護衛や毘沙門天様をお供として連れて現れたのは、なんと天王様だったのだ。
私も慌てて席を立って礼をする。
弟君である豹牙様は「おぉー!兄上ぇー!」と嬉しそうな声をあげた。
そんな私たちに、天王様はニコッと微笑みかけている。
するとそこへ、ちょうど良く韋駄天様の追っ手がやってきたのである。
「韋駄天様、足が早過ぎますっ……!」と、走り過ぎてバテバテとなった弥勒様だ。
この四阿にたくさんの人が集まってしまった。
「っとに、しゃあねぇなぁ?……よし。俺はもうべんきょーの時間だから、その前に韋駄天を神殿に送ってってやる」