私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
しかし、聖威は帰ってしまい、二人は離れ離れになってしまった。
本当にどうしようもない……のか?
『舞空嬢、私はね。この世界一、諦めの悪い男なんだよ?』
『……え?』
不意にそんなことを言われてキョトンとする私に、天王様はニッコリと笑う。
だが、その笑顔の下には……ほんの一瞬だけだが、とんでもない渦巻くドス黒さを感じたのは言うまでもない。
何か、良からぬ事を企んでいるような。
『普段そんなに欲はないんだけどね?欲しいと思ったものは、どんな手を使ってでも手に入れたくなるんだ?』
その時、私は思った。
ああ……この人。タヌキなんだ。
いつも穏やかなその笑顔は、実は仮面……。
そのドス黒さからは『絶対逃がさない』というオーラが滲み出ていた。
え。こういう性格だったの。
あはは……聖威。とんでもない人に惚れられたと思う。
だけど、どうやって手に入れてくれるのか?
未来がひとつ。楽しみになった瞬間だった。
「……あ、そういえば。舞空嬢」
「へっ?は、はい!」
昨日の会話をふと思い出していると、不意に話しかけられて少し慌てる。