私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
目の前にいる天王様は、やはり笑顔。
今の笑顔にはドス黒さは滲み出てない。本当の笑顔だ。……ちょっとホッとする。
「さっき言っていた『神術士の修行』だけど。今後どうするか、もう目星はついてるのかな?」
「目星、といいますと……」
「どこで修行するのとか、誰かに弟子入りするのかとか」
「あ、それは……」
神術士になるためには、上級以上の神術士のもとで指導を受け、鍛錬しなければならない。
登録のためにはその指導者、いわゆる師匠の署名も必要だから。
普通なら、その師匠とは自分の親だったり、一族の筆頭術士だったりするんだけど。
まさか、今更実家に帰って兵団で修行なんて出来るわけもないし、韋駄天様は弥勒様に頼むだの言い掛けていたが……。
……私は、もう決めてある。
「私の師匠は……ただ一人です」
「あ、もういるんだ」
「ええ、でも……今は所在不明なので、竜樹様にお願いして居場所を突き止めてから、自ら赴こうかと」
「ああ、そうなんだ」
私が師と仰ぐ人は、ただ一人。
この【光の泉】を教えてくれた、老師だ。