私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
老師に会いたい。
会って、私の決意を伝えたい。
老師が導いてくれた通りに、『神術士になる』って。
それから相談の上、老師自身に弟子入りするか、それがダメなら縁の人を紹介してもらうかしようと思ったのだ。
神術士への第一歩は、老師を探す長旅となってしまうけれど。
すると、天王様が急に「あっ」と声を上げる。
今、急に何かを思い出したかのように。
「……そういや。今朝、竜樹から先触れがあったんだ。本日中にはここに戻るって」
「ほ、本当ですか?!」
それは、私の待ち望んでいた第一歩だった。
「……って、竜樹様は今どこに?」
「うーん。摩睺羅伽王領って言ってたかな」
「え?!どうして魔界辺境の王領に」
「詳しいことはわからないけど。でも、今日戻ってくるし、今の君の想いのほどを竜樹に伝えるといいよ」
「は、はい!」
やっと前進できる。希望ある未来と、約束を叶えるために。
密かに拳を握って意気込んでいたが、帰還者は随分と早く、私らの前に現れた。
「ちょっと。先触れ出したの朝なのに、今伝えるとか遅すぎやしませんか?」