私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

47.上を向いて見上げる夢








「老師からの手紙って!……ひょっとして竜樹様、老師に会いに行ってたんですか?!」




まさに、寝耳に水とはこのことで。

私を待機までさせて赴いたところとは、老師のところだったなんて。

何故?!

……と、問う前に。竜樹様が説明してくれた。




「……舞空なら、神術士の修行をするにあたって、まずは那金陀様に逢いに行くというのでは、と思って、ね?」

「……」



全ては、見抜かれていた。

なんて末恐ろしい……ではなく、竜樹様なりに私の今後を考えて、私がどうしたいか予測していたのだ。



「那金陀様が摩睺羅伽王領に留まっているのは、風の噂で聞いていた。しかし今、摩睺羅伽王領は、魔界からの魔力が濃くなっていて、魔族暴動(スタンピード)の警戒状態にある」

「スタンピード……ですか」

摩睺羅伽王領は、魔界辺境。

忉利天にいる私たちは呑気に暮らしているその裏で、摩睺羅伽王領は魔界からの侵略の危機に常に晒されている。戦の第一線の現場だと聞いている。

老師がそんなところに留まっていたなんて。

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