私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

「おおっ!竜樹、おつかれちゃーん!ミッション、無事に遂行致しましたぜーぃ!」

「は、はっ?!」

お隣の反応に、驚愕が重なる。

翼はこんな高貴な御方に対して、敬意を払う言葉遣いどころか、まるでお友達のように手を振っている?

ち、ちょっと!

ふ、不敬よ、不敬!なんてこと!

……けど私も、まさかの人物がこんな普通の民家に登場するという、まさかの事態に私も頭を垂れるなどの作法をすっかり忘れて、ただ口を開けて立ち尽くしていた。



目の前に現れた、私と背丈が同じくらいの御方は、自分の身を隠していた外套のフードを下ろす。

榛色の柔らかい髪が、フワリと靡いた。

同じく榛色の瞳と顕になった顔を改めて確認すると、更なる驚愕で気持ち倒れそうになる。



(こ、この人は……!)



この御方は、この天界に住まう者なら名を知らない者はいない。

竜族の禁呪をはじめ、特級禁呪を複数皆伝したと言われる神童であり、神術士の最高峰【天導師】の称号を、当時11歳という史上最年少で聖域より授かった、謂わば現在、天界一の神術士。

八部衆が一人、竜王様のご令息。

【水帝天導師】竜樹様……!

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