私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
いや、ご存知ですよ!竜族神術騎士団の光治癒師、五方五龍が一人、紅龍様のことでしょう……!
治癒師としては、神殿の弥勒様と同じぐらい有名な御方だ。
そんな大物のところに、私を?!
あまりにも想像を超えるこの展開に、唖然としてしまう。
言葉のひとつも出ないけど……今までとは、意味が違う!
「実は今……うちの養成所は、優秀な神術士の数を少しでも増やして育成するために、他王領からも人員を募集してるんだ。神族ではない平民の子でも神力を持っている者がいて、様々な身分、立場の者を集めて育成に力を入れている。……この世界の未来のために」
「これは竜樹の案なんだよね。この世界から神術士を絶やさないための」
「そんな情報は別にいいですよ。……それより、舞空。もし、君が一人前の神術士を目指しているというのなら、これとない環境だと思うよ?……自分で言うのもなんだけど。どうかな?」
私の道が……少しずつ、照らされ始めている。
希望という名の光に。
立派な神術士になる、という約束のために。
(……ねえ、)
私は、問いかける。
目の前にはもういないけど、心の中にいる、想う大切な人たちへ。