私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

彼らの姿が、脳裏を過ぎる。



……望んだ未来への一歩、踏み出せそうだよ。

今の私……どう?




大切な人たちの、声が聞こえてくる。

それが、私を鼓舞する。




《素晴らしいですぞ!舞空お嬢様!》

《舞空!おまえは絶っっ対、神術士になれる!》




……きっと、そう言ってくれるよね?

私も、一歩踏み出したい。

その道は生半可なものではなく、苦労もあるだろうけど、でも。

どんなことだって、乗り越えてみせる。

夢を叶えるために、約束を果たすために。

私自身が望んだ道だから。



「……竜樹様」



改めて、背筋を伸ばして向き直る。

息を整えてから、静かにゆっくりと頭を下げた。



「……よろしくお願いします」




ーーーそして、私は一歩、踏み出した。







それから二日後に、私は善見城を起つ。

竜王領に戻られる竜樹様の後に着いて。



出立の見送りには、天王様と豹牙様が来てくださって。

そして、韋駄天様と。なんと驚くことに。韋駄天様の図らいで、伽藍様と侍女仲間が見送りに来てくれたのだった。

……朝霧様はもちろんいない。謹慎中だし。

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