私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
終の巻

48.希望に満ち溢れた、それぞれの未来へ









(……あら)



小鳥の囀りが聞こえて、ふと顔を上げた。

この庭園に小鳥がやってくるのは珍しい。翼をはためかせて飛び立つ際に、小鳥の小さな白い羽根がフワッと風に乗る。

その光景に、思わず顔が綻んでしまった。



(白い羽根、か……)



私は今、庭園の四阿にいる。

竜王様の住まい、竜王領の要である【水晶竜宮】の庭園。呼び出しを受けたが、時間より早くに到着してしまった。

なので、本日のこの日の為に送られてきた、数通の手紙を開いていたところだ。




私が竜王領に身を移してから、約一年半。

神術士の養成所にて修行を始めてから、ちょうど一年の歳月が経った。



竜王領の神術士養成所とは、他王領の術士団や兵団で個人的に修行を受ける様式とは違って、ある程度の人員を集めてから決められた年月を設定して、集団で学ぶ。

人間界では『学校』といわれている様式らしく、共に学ぶ仲間がいることで団結力を高めたり、助け合ったり。学びの相乗効果が期待されるらしい。

……これは、人間界を出入りしている竜樹様の案だそうだ。

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