私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

だが、驚愕による私の脳内混乱など知る由もなく、彼は私の真っ正面にツカツカとやってきた。

真っ正面に立たれて目を合わせられると、いろんな意味で心臓がうるさくなる。

尊い身分の御方を目の前にした緊張と……この御方、手の打ちようのない美少年なのだ。男らしいというよりは、中性的な可憐さのある美しさ。……歳もまだ子供のあどけなさが残る若さだからだろうか。

神術の技術だけではなく、恐らくその見た目も、将来の有望さも天界一だ。傍を通りすがれば、その美しさに令嬢らは騒ぎ、大人はぜひうちの娘を婚約者にと騒ぐ。

私より歳は三つ下の13歳でありながら、色気も半端ない。成人前なのに、何故こんなに色気が滲んでいるのか。

そして、歳下のその色気にその気がなくても無条件にドキドキと心臓が高鳴る。

女の悲しいサガ……。



だが、そんな彼、竜樹様は私に真剣に問いかける。

色気を振り撒いていようが、眼差しは至って真剣だ。



「君……今の術式、【光】の治癒術式じゃないのか?!適性者が稀少と言われている術式を何故?!」

「あ……」

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