私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
ーーーこの世には天界の他、いくつかの世界、『異世界』というものが存在する。
我々神族の住まう『天界』の他、魔族が住まう『魔界』。
この世の生物の死後の魂が集まり、審判を受けて処遇を決める機関を持つ『霊界』に、神力も魔力も持たない人間らが住まう『人間界』。
他にも聖獣などの『聖なる者』が存在する『聖域』や、各界の境界の歪みに出来る『次元の狭間』など、異世界は無数に存在する。
そのひとつが、『月輪界』。
月輪界とは、空に浮かぶひとつの星、『月』を拠点とし。
この世の創造者といわれる『聖母竜』、マザードラゴンの住まう世界。
聖母竜の生まれたとされる聖域や、霊界と密接な関係にあり、各界の守護を担っている。
……と、だけ、幼い頃に座学で習った。
その『月輪界』の住人が、この人たち……!
「……彼らは部隊はそれぞれ違うが、特級犯罪人を確保するための特別班として、陰ながらこの天界へとやってきた」
「その班長が私。この中で唯一上官のカタガキがある私……」
そう言って、フッフッ……と、肩を揺らして笑う聖威に、「権力に溺れとるわ」と翼がすかさず突っ込んだ。