私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。


「そ、それが、その……先の毒殺未遂事件と何の関係が……」



ようやく声が出るようになった私は、話を核心に戻す質問をする。

そして再び、竜樹様の口から話の続きを聞かされることになるのだった。





竜樹様が、この伽藍様毒殺未遂事件の話を耳にしたのは、昨日の晩のことだった。

それも、思わぬカタチで。

善見城にて、天導師としての公務中に思わぬ来客があったのだという。

『天導師である竜樹様に、ご相談したいことが……』と、人目を気にしながらコソコソとやってきたのは……とある顔見知りの治療師だった。

その状況を察した竜樹様は、人払いをしたのち、話を聞く。



『実は……韋駄天様の御息女、伽藍様が何者かに毒で命を狙われました』



その治療師とは、韋駄天様の側近に命じられて伽藍様の治療に当たっていた治療師だった。

ここで初めて、竜樹様は事件の経過をその治療師から聞くことになる。

昼の食事の際、伽藍様が食事を口にして倒れたことを。

韋駄天様は犯人を私と高らかに宣言して、直ぐ様地下牢に放り込んだこと。

私の居室から、毒の小瓶が発見されたこと。
< 54 / 461 >

この作品をシェア

pagetop