私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
……しかし、それは些かおかしい点がある。
『昨日のことなのに?……そんな報告は聞かされておりませんが。調査官は?調査の結果は?』
『それは、韋駄天様の側近、下官で内々に行われたそうです』
『……』
……それは、おかしい。
最近の法律整備で、高位神族が関わる揉め事や事件は、暗殺、その未遂も含めて善見城の調査官が調査を行うことになっている。
権力者の一方的な私刑を防ぐため、神族同士の短絡的な戦争への発展を防ぐため。第三者が介入して、天帝のお膝元で裁判を行うのだ。そのための機関、法院までも作った。
ようするに、韋駄天様はこのことを善見城には報告せず、内々で治めたと?
まさに、法が破られているではないか。
事もあろうが、天部衆の武官なる韋駄天様が?
『……その事を私に密告しに来たのですか?それは窓口が違うのでは』
『い、いえ!私がご相談したいのは、伽藍様の容態についてです』
報告する治療師の声は震えている。
伽藍様の被毒は……経口した毒による物ではない、と。
『【被毒術式】……?』