私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
……それに、私は護送中に逃亡を謀ったカタチとなっている。
伽藍様に毒を仕掛けた真犯人を見つけなければ、私の罪は重い。
「そういうわけで、舞空嬢。聞きたいことがある。……君がいたあの韋駄天城で、何か異変はなかっただろうか?怪しい人物、怪しい行動を取った者、些細な事でもいい。何か違和感はなかっただろうか」
「違和感……ですか」
竜樹様からの改めての問いに、うーんと考え込む。
異変、違和感……?
そう言われると、何も気にしないで日々過ごしていたから、難しい。
けれど、そんな特級犯罪人が潜んでいたかもしれないのに、何も気にしないでいたなんて、考えると逆にゾッとした。
「本当に些細な事でも構わないんだ。城に出入りしている業者が新しく変わったとか」
「……侍女仲間がオトコ連れ込んでいたとか?婚約者が別の女と密会していたとか?うひひ……」
「……」
真剣な表情で私に問いかける竜樹様の後ろに、ニヤニヤとした揶揄い混じりの笑みを向けるのは……カタガキに溺れかけていた、あの少女班長だった。