私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
「何よそれ。色事ばっか」
「え?だってお嬢さん、婚約者に婚約破棄されたんでしょ?『おまえとの婚約を破棄する!』なんてさ?」
「……」
疑惑の視線を向ける。
私の表情の変化に気付いてか、竜樹様が「……あ、城内の使用人や兵士らに密かに聞き取り調査してて、地下牢で起こった話も聞いてしまったんだ」と、苦笑いしながら呟いた。
は……私が地下牢で、朝霧様に婚約破棄を告げられたことも知ってる、この人たち!
恥ずかしい……!
穴があったら入りたい気分。
だが、なぜか?目をキラキラさせてワクワクした表情を見せるのは聖威だった。
「ま、ま、まっさか、『婚約を破棄する!』なんて、別のオンナ侍らせながら高らかに宣言するヤツいたなんて!さすが貴族社会!まさかまさかラノベみたいな展開実際にあるとわ!」
「……」
「冤罪と婚約破棄といえば、ざまぁ?……うわぁーうわぁー!この世界に来て初めてよかったと思ってるよ!……メシは味気ねぇし、偉そうなおっさん姉ちゃんいっぱいでクソな世界と思ってたけどさー!」
鼻息荒く、興奮気味に早口になっている聖威に、怒りを通り越して引いてしまう。
私の後ろでは、翼が「わははは」と笑っていた。