私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
窓から差す夜明けの光で、パチッと目が覚めた。
(……あっ!もう夜明けだ!)
日常の習慣で、慌てて飛び起きる。
伽藍様を起こす準備をしなくちゃ!なんて。
(……)
しかし、ピクッと立ち止まって、暫く考える。
……あ、そうか。私、韋駄天城を追放されたんだっけ。早起きしなくてよかったんだ、と寝起きの頭でボーッと考える。
そして、ここは。
異世界の戦士たちの隠れ家、拠点。
忉利天内の花街の傍にある住宅街らしい。主に平民らが居住を構えているという。
まだ寝ぼけが残る頭で、ふと振り返るとそこ
にある窓の外をボーッと眺める。
(……)
ここは高台の上に建てられた住居なんだろうか。花街が一望できる。
夜明けと共に、花街を照らしていた灯りが一つずつ消えていく。まるで、街が眠りにつくように。
夜明けの光に照らされながら、眠る街。初めて見る光景。なかなか趣きがある。
自分の身が危険な状況であるのは間違いない中で、景色に感銘を受けるだなんて、私もなかなか呑気だな、と思った。
(……さて)
目が完全に覚めてしまった。