私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

7.月輪界のお姫さま






「いつもこんなに早起きなの?」

「はい、侍女を務めてましたので」

「侍女って大変そうだな。お嬢様のお付き添いだろ?ワガママ聞いてやったりとか」

「いえ、伽藍様は心優しい御方ですから」



食卓を挟んで向かいに座り、香りの良い紅茶を口にしながら、私たちは他愛もない会話を続けていた。

ふと、銀太さんの手元が視界に入る。男らしいゴツゴツとした指にいくつも嵌められた指輪だ。

……昨日、これが武器に変化し、幌馬車を粉々に吹っ飛ばしてしまったのだ。

『魔金属』?そんなもの、この世界では見たことがない。異世界にしかないものなんだろうか。



そんなところから、私は先程の衝撃を疑問にして問う。



「そ、その……石板は何なのですか?」

「ん?石板?」

「お兄様のお顔が映ってらして、会話をされていた……」



私が気になってしまったのは……その、表面がツルツルした人の顔を映し、会話の出来る石板だった。



「あ、ああ。これ?液晶画面のことか?石板って……これはウチの世界で作られた通信機。特殊な電波を飛ばして画面越しに対話出来るんだ。これは異世界でも使えるように改良したやつ」

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