私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。
ーーーそして、そんな月輪界の貴族一門、星宿院家に悲劇が起きたのは、三年前。
架威の手により、一晩にして一族が皆殺しされたのだというのだ。
狙いは、『聖域』。
星宿院家の当主が持つと言われている『聖域』所持の権利を狙ったのだ。
架威は、魔族を率いて星宿院家に闇討ちをかけ、当主、その妻、直系傍系筋の者、星宿院家の血を引く者はあっという間に根絶やしにされた。
月輪界においては、貴族一門殲滅は特級犯罪に準ずる。ましてや一族根絶やしの大惨殺。
この件を以て、架威は特級犯罪人として追われる身となった。
しかし、特級程度の神術士として、【擬態術式】をはじめ、神術を巧みに使う架威。
事件から三年経った今もその足取りが掴めておらず、今回ようやくここまで漕ぎ着けることが出来た。
聖威は……その闇討ちの夜はちょうど、翼と共に月御門の屋敷を訪れていて、難を逃れていたのだという。
これが、聖威が『星宿院家のたった一人の生き残り』『我が月輪界のたった一人の神術士』といわれる由縁。
そして、特級犯罪人・架威が韋駄天様に成りすましていて、星見候補の令嬢を狙う理由も何となくわかったような気がする。
架威の狙いは……星見の持つ『聖域』。