まるごと愛させて
あーあ。
ホントに帰っちゃった。薄情者〜。
もーーーう!!!
今日は飲むって決めたの!!
「すみませーん!生ビールとだし巻き卵追加で!!」
スタッフの粋のいいあいよー!の返事が聞こえると
ずっとマナーモードにしていた携帯を開いた。
LINE通知3件
内一件は杏菜から早めに帰りなさいよ。と
残り二件は和樹から。
既読だけつけて、そのままスルー。
前回言ってた事と全く同じ文面だから。
と言うかもう定番化してるよね、
ごめん、酒の勢いで。好きなのは唯だけだから。
机に頭をゴチンと付けると自然とため息が出た。
「生とだし巻き卵お待たせしましたー!」
店員さんがドンドンとビールとだし巻き卵を置いて行った。
…やっぱり、別れよう、もう。
そう改めて腹を括って和樹にLINEを送った。
ビールを飲みながら和樹と過ごした3年間の写真をひたすらに消した。
少し酔いが回っていた方が消しやすい。
シラフだといちいち思い出しちゃうから。
結局、杏奈が帰った後ビールを3杯おかわりして
居酒屋を出た。
今までほろ酔いだと思っていたけど、
思ったより酔いは回ってたみたいで少し足元がふらふらする。
しっかりしろ、わたし。
少しおぼつかない足で駅まで歩いたけど、
「もう、限界。ちょっと休憩ー。」
駅沿いにある花壇に腰を下ろした。
まだ終電まで時間あるし少しくらい大丈夫だよね。
「あっれ〜〜〜??いい感じに酔っちゃってるお姉さん発見〜!俺超ラッキー!」
目を閉じて下を向いているとそんな声が聞こえた。
まさか、それが自分のことだとは全然思って居なくて当然目は伏せたまま。
「あ、無視〜?俺傷ついちゃうな〜。顔みーせて!」
そんな声が聞こえてグイっと顎を掴まれてびっくりして顔を上げる。
「へっ??私???」
「あっ、顔も案外いい感じ。お姉さん何してんの??」
如何にも、遊んでそうな、男が目の前に立っている。
…びっくりした。
久しぶりにナンパなんかされた。
「いえっ、もう帰ります。」
立ち上がって小走りで男の人を避ける。
「まぁまぁ。ちょっとだけ話し相手になってよ。俺友達にドタキャンされちゃってさ〜、酷いと思わない?」
「いや、あの、、すみません。」
急に立ったからか、フラッと足が絡まってしまった。
「あっ、ほら、危ないからさ〜。」
男の人が咄嗟に支えてくれて、腕を握られた。
「すみません。大丈夫です。離して下さい。」
腕を自分の方に引っ張っても手が離れる気配もない。
…どうしよう。
こんな時どうすればいいんだっけ?
「えっと、、ホントに離してもらえませんか??」
「え〜、どうしよっかな〜。あ、じゃあそうだ。連絡先おし」
ーーパシっ。
私の手を掴む男の手を更に大きな手が掴む。
そして私の目の前には大きな背中が見えた。
へっ???
「離して下さい。」
周りは賑やかなはずなのに、
この場所だけシンとした空気が流れる。
「…えっ、、あぁぁ〜!すみません!彼氏なんだ!もうお姉さん彼氏いるなら言ってよ、もう〜!」
手が自由になると真正面の大きな人を見上げた。
スーツを着た外国人??
「大丈夫ですか?」
想像以上に大っきくて、上から降ってきた声にビクッとする。
「あ、すみません、俺怖いですよね。」
そう言って近くの花壇に腰掛けた。
「いえっ!ちょっと…大っきくてビックリしただけです。日本語お上手ですね。」
ホントに帰っちゃった。薄情者〜。
もーーーう!!!
今日は飲むって決めたの!!
「すみませーん!生ビールとだし巻き卵追加で!!」
スタッフの粋のいいあいよー!の返事が聞こえると
ずっとマナーモードにしていた携帯を開いた。
LINE通知3件
内一件は杏菜から早めに帰りなさいよ。と
残り二件は和樹から。
既読だけつけて、そのままスルー。
前回言ってた事と全く同じ文面だから。
と言うかもう定番化してるよね、
ごめん、酒の勢いで。好きなのは唯だけだから。
机に頭をゴチンと付けると自然とため息が出た。
「生とだし巻き卵お待たせしましたー!」
店員さんがドンドンとビールとだし巻き卵を置いて行った。
…やっぱり、別れよう、もう。
そう改めて腹を括って和樹にLINEを送った。
ビールを飲みながら和樹と過ごした3年間の写真をひたすらに消した。
少し酔いが回っていた方が消しやすい。
シラフだといちいち思い出しちゃうから。
結局、杏奈が帰った後ビールを3杯おかわりして
居酒屋を出た。
今までほろ酔いだと思っていたけど、
思ったより酔いは回ってたみたいで少し足元がふらふらする。
しっかりしろ、わたし。
少しおぼつかない足で駅まで歩いたけど、
「もう、限界。ちょっと休憩ー。」
駅沿いにある花壇に腰を下ろした。
まだ終電まで時間あるし少しくらい大丈夫だよね。
「あっれ〜〜〜??いい感じに酔っちゃってるお姉さん発見〜!俺超ラッキー!」
目を閉じて下を向いているとそんな声が聞こえた。
まさか、それが自分のことだとは全然思って居なくて当然目は伏せたまま。
「あ、無視〜?俺傷ついちゃうな〜。顔みーせて!」
そんな声が聞こえてグイっと顎を掴まれてびっくりして顔を上げる。
「へっ??私???」
「あっ、顔も案外いい感じ。お姉さん何してんの??」
如何にも、遊んでそうな、男が目の前に立っている。
…びっくりした。
久しぶりにナンパなんかされた。
「いえっ、もう帰ります。」
立ち上がって小走りで男の人を避ける。
「まぁまぁ。ちょっとだけ話し相手になってよ。俺友達にドタキャンされちゃってさ〜、酷いと思わない?」
「いや、あの、、すみません。」
急に立ったからか、フラッと足が絡まってしまった。
「あっ、ほら、危ないからさ〜。」
男の人が咄嗟に支えてくれて、腕を握られた。
「すみません。大丈夫です。離して下さい。」
腕を自分の方に引っ張っても手が離れる気配もない。
…どうしよう。
こんな時どうすればいいんだっけ?
「えっと、、ホントに離してもらえませんか??」
「え〜、どうしよっかな〜。あ、じゃあそうだ。連絡先おし」
ーーパシっ。
私の手を掴む男の手を更に大きな手が掴む。
そして私の目の前には大きな背中が見えた。
へっ???
「離して下さい。」
周りは賑やかなはずなのに、
この場所だけシンとした空気が流れる。
「…えっ、、あぁぁ〜!すみません!彼氏なんだ!もうお姉さん彼氏いるなら言ってよ、もう〜!」
手が自由になると真正面の大きな人を見上げた。
スーツを着た外国人??
「大丈夫ですか?」
想像以上に大っきくて、上から降ってきた声にビクッとする。
「あ、すみません、俺怖いですよね。」
そう言って近くの花壇に腰掛けた。
「いえっ!ちょっと…大っきくてビックリしただけです。日本語お上手ですね。」