男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
第四章
初めての行為に疲れ果て、眠りの世界へと旅立っていったセリーヌの体を深く胸に抱き寄せる。僅かにでも力を込めれば壊れそうに華奢なのに、この体は柔らかに俺を包み込んで受け止めた。
……俺を謀った浅ましく愚かな女。
しかし今はこの上無く愛しい、俺だけの女だ。
俺の腕の中で健やかな寝息を立てるあどけない寝顔を、宝物に触れるような丁寧さでそっと撫でる。その時、セリーヌが小さく身じろぎ、その動きで意図せず彼女の柔らかな太腿が、解放しても全く衰えを知らぬ雄の部分を掠めた。
電流が走り抜け、ビクリと脈動する。細く息を吐き出して衝動を逃がしながら、こうも猛々しく滾った己自身に新鮮な驚きは禁じ得ない。
俺の目に映る女の顔面が人型を失ったのと時を同じくして、俺は男の機能を失った。……いや、失ったのだと思っていた。
しかし、セリーヌを前にしてこれまでの不能が嘘のように彼女への欲望には果てがない。
おもむろに彼女の薄い腹に手を伸ばし、そっと撫でる。
「この胎に、いつか俺の子が宿ることもあるのだろうか……?」