男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
ダボット様が私の代わりに運ぼうとしてくれているのに気づき、私は青くなって腕を伸ばした。
近衛長官として常に部下である近衛兵らの指導育成に厳しい姿勢で取り組む彼が、いくら直属の部下でないとはいえ、なぜ私にこうも親切にしてくれるのか。
「なに、遠慮をするな。弱きを助けるのは、近衛たる者の基本。相手が女や子供ならなおのことだ」
ダボット様は箱をスッと後ろに引くことで私の腕を躱しながら答える。
「わ、私は子供ではありませんが……」
彼が口にした『女』という単語に一瞬ドキリと脈が跳ねたが、すぐに自分は『子供』という方に該当するのだと思い至った。
「はははっ! まぁ、細かいことは気にするな」
ダボット様は高らかに笑い、ヒラリとマントを翻して歩いていってしまう。
「あ、ダボット様! 駄目ですったら!」
慌てた私は、咄嗟にダボット様のはためくマントの裾をパシッと掴んだ。すると、どんな不幸な偶然か、その弾みで彼のマント留めが外れた。
「きゃっ?」
近衛長官として常に部下である近衛兵らの指導育成に厳しい姿勢で取り組む彼が、いくら直属の部下でないとはいえ、なぜ私にこうも親切にしてくれるのか。
「なに、遠慮をするな。弱きを助けるのは、近衛たる者の基本。相手が女や子供ならなおのことだ」
ダボット様は箱をスッと後ろに引くことで私の腕を躱しながら答える。
「わ、私は子供ではありませんが……」
彼が口にした『女』という単語に一瞬ドキリと脈が跳ねたが、すぐに自分は『子供』という方に該当するのだと思い至った。
「はははっ! まぁ、細かいことは気にするな」
ダボット様は高らかに笑い、ヒラリとマントを翻して歩いていってしまう。
「あ、ダボット様! 駄目ですったら!」
慌てた私は、咄嗟にダボット様のはためくマントの裾をパシッと掴んだ。すると、どんな不幸な偶然か、その弾みで彼のマント留めが外れた。
「きゃっ?」