男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
皇帝陛下にこうまで言われてしまえばこれ以上食い下がることもできず、伸ばした手を引っ込めながら詫びる。
「其方らの此度の立ち入りは不問とする。早々に立ち去れ」
端的に告げられた不問と退去の指示に、視線をゆるく右に左に巡らせながら立ち尽くす。
「どうした。さっさと行け」
「申し訳ありません! 実は、帰りの方向がわからなくなってしまい……。どちらに向かえば宮廷に帰り着けますでしょうか!」
立ち去る気配をみせない私に対し、訝しげに言葉を重ねるサイラス陛下に、ガバッと頭を下げて帰りの方向を問う。
「……ついて来い」
サイラス陛下はしばしの間を置いて低く告げ、くるりと踵を返した。
「――そうか。其方らはプロスペールの子であったか」
サイラス陛下の先導で宮廷に戻る道すがら私が出自を告げたら、サイラス陛下はこれまでの厳しく引き締まった表情を僅かに綻ばせる。
「プロスペールは尊敬する師範で、今の俺があるのは彼のお陰と言っても過言ではない」
「其方らの此度の立ち入りは不問とする。早々に立ち去れ」
端的に告げられた不問と退去の指示に、視線をゆるく右に左に巡らせながら立ち尽くす。
「どうした。さっさと行け」
「申し訳ありません! 実は、帰りの方向がわからなくなってしまい……。どちらに向かえば宮廷に帰り着けますでしょうか!」
立ち去る気配をみせない私に対し、訝しげに言葉を重ねるサイラス陛下に、ガバッと頭を下げて帰りの方向を問う。
「……ついて来い」
サイラス陛下はしばしの間を置いて低く告げ、くるりと踵を返した。
「――そうか。其方らはプロスペールの子であったか」
サイラス陛下の先導で宮廷に戻る道すがら私が出自を告げたら、サイラス陛下はこれまでの厳しく引き締まった表情を僅かに綻ばせる。
「プロスペールは尊敬する師範で、今の俺があるのは彼のお陰と言っても過言ではない」