男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
セリーヌはこぼれ落ちそうなくらい目を見開いて、信じられないというようにたったひと言ポツリとこぼす。
「お前が信じられないのも無理はない。俺とて、自分自身の感情と建前で言い放った『契約』というしがらみに、ここまでずっと振り舞わされていたのだ。そのせいで懐妊という慶事に際し、お前をこんなに不安な思いにさせてしまっているのだから不甲斐ない」
セリーヌは戸惑いが前面に滲んだ目で俺を見下ろしていた。
「だが、初めて会った時には既に惹かれていた。あの時からお前は既に他の女と同列ではなかった。謁見の間で四年振りに再会した時は、謀られたことへの怒りが大きかった。一方で、美しく成長したお前に目を奪われて、俺は非道な契約を持ち掛けた。そして日々を過ごす中でお前のことを知れば知るほど、胸の中に抑えきれぬまでに愛は育った。しかし俺は、愚かにも想いを伝え、お前の愛を得るための努力を怠った……いや、怠ったというのもまた正しくない。俺は知らなかったのだ。愛を伝える術も、愛を乞う方法も。だが、そんな俺にお前が教えてくれた」
「お前が信じられないのも無理はない。俺とて、自分自身の感情と建前で言い放った『契約』というしがらみに、ここまでずっと振り舞わされていたのだ。そのせいで懐妊という慶事に際し、お前をこんなに不安な思いにさせてしまっているのだから不甲斐ない」
セリーヌは戸惑いが前面に滲んだ目で俺を見下ろしていた。
「だが、初めて会った時には既に惹かれていた。あの時からお前は既に他の女と同列ではなかった。謁見の間で四年振りに再会した時は、謀られたことへの怒りが大きかった。一方で、美しく成長したお前に目を奪われて、俺は非道な契約を持ち掛けた。そして日々を過ごす中でお前のことを知れば知るほど、胸の中に抑えきれぬまでに愛は育った。しかし俺は、愚かにも想いを伝え、お前の愛を得るための努力を怠った……いや、怠ったというのもまた正しくない。俺は知らなかったのだ。愛を伝える術も、愛を乞う方法も。だが、そんな俺にお前が教えてくれた」