男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「ヘッセラボス共和国との先の大戦で大将を務め、我が国を圧倒的勝利に導いたと聞き及んでおります。そればかりか戦勝後の交渉を自ら担われ、粘り強い説得を重ねて強固な姿勢を崩さぬ彼の国との融和条約を勝ち取ったのだとか。私が物心ついた時には既にヘッセラボス共和国は友好国となって久しく、サイラス様からこれを聞かされた時は驚きと共に、ダボット様の多彩な能力に感服しました」
「まさか、陛下が俺をそんなふうに評してくださっていたとは……。けれど、あの時の俺の思いはもっと単純で、多くの血を流した分、それ以上はもう血を流したくなかった。剣とは別の戦い方で、本当の勝利を収めたいと、そんな一心に衝き動かされていました。武人でありながら情けない考えだと、今まで口が裂けてもこんなことは言えませんでしたが」
ダボット様はどこかきまり悪そうに答えた。
「まさか、陛下が俺をそんなふうに評してくださっていたとは……。けれど、あの時の俺の思いはもっと単純で、多くの血を流した分、それ以上はもう血を流したくなかった。剣とは別の戦い方で、本当の勝利を収めたいと、そんな一心に衝き動かされていました。武人でありながら情けない考えだと、今まで口が裂けてもこんなことは言えませんでしたが」
ダボット様はどこかきまり悪そうに答えた。