男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
ざわつく空間を割り、ひと際鋭い声を張ったのは皇太后様だった。
「誰が黙るものか! お前が我が主の子を始め、四人の皇子を殺したことは分かっている! 自分の息子を皇帝にせんがため、不当に皇位を簒奪した泥棒猫め。だが、そんな略奪者の血が次代へと繋がるわけがない。お前の息子は父親にはなれず、お前に孫も誕生しない。これでお前の血は途絶えるのだ! ……我が主の無念、しかと思い知るがいい!!」
「サイラス! この場は私に任せ、あなたは早く妃を連れて行きなさい!」
皇太后様は臆することなくサイラス様に指示を叫ぶと、自身はその場に留まった。サイラス様は私を抱く腕に力を込めて駆け出した。
「サリー、あなたはひとつ大きな勘違いをしています。私は皇子らを殺してなどいない」
広い大ホール駆けを抜け、扉を出ようとしたところで、走って来たドクトール様と行き合う。サイラス様が私に代わり端的に状況を告げる。
「セリーヌの陣痛が始まり、先ほど破水した。一番近い客間で急ぎ診察を!」
「承知しました!」
「誰が黙るものか! お前が我が主の子を始め、四人の皇子を殺したことは分かっている! 自分の息子を皇帝にせんがため、不当に皇位を簒奪した泥棒猫め。だが、そんな略奪者の血が次代へと繋がるわけがない。お前の息子は父親にはなれず、お前に孫も誕生しない。これでお前の血は途絶えるのだ! ……我が主の無念、しかと思い知るがいい!!」
「サイラス! この場は私に任せ、あなたは早く妃を連れて行きなさい!」
皇太后様は臆することなくサイラス様に指示を叫ぶと、自身はその場に留まった。サイラス様は私を抱く腕に力を込めて駆け出した。
「サリー、あなたはひとつ大きな勘違いをしています。私は皇子らを殺してなどいない」
広い大ホール駆けを抜け、扉を出ようとしたところで、走って来たドクトール様と行き合う。サイラス様が私に代わり端的に状況を告げる。
「セリーヌの陣痛が始まり、先ほど破水した。一番近い客間で急ぎ診察を!」
「承知しました!」