男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
サイラス様は退出しようとはせず、私の腕をしっかりと取って共に我が子の誕生の瞬間を見守っていた。
「次の波が来たら、いきんでください!」
ドクトール様の指示を受け、荒い呼吸を繰り返しながらなんとか大きく息を吸い込む。
「大丈夫だ、お前ならできる」
サイラス様からも力をもらい、私は渾身の力を込めていきむ。
「ぁ、あっ、ぁああああ――っっ!!」
その瞬間は、頭の中も心もすべてが真っ白だった。
――おぎゃぁ。――おぎゃあ。
そんな真っ白な中で、私は天使の産声を聞いた。半ば放心状態で力強い泣き声を聞きながら、涙がツーッとひと雫、頬を伝う。
サイラス様が汗に濡れて貼り付く髪を撫でながら、優しく額に口づける。
「よく頑張ったな。……ありがとう、セリーヌ」
柔らかに告げられる労いの言葉が、私の目頭を熱くする。
「セリーヌ皇妃殿下。サイラス皇帝陛下。玉のような皇子殿下のご誕生でございます」
そうこうしている内に、ドクトール様が処置を終えた赤ん坊を抱えて戻り、私の腕に抱かせてくれる。
「……なんて可愛いの」
「次の波が来たら、いきんでください!」
ドクトール様の指示を受け、荒い呼吸を繰り返しながらなんとか大きく息を吸い込む。
「大丈夫だ、お前ならできる」
サイラス様からも力をもらい、私は渾身の力を込めていきむ。
「ぁ、あっ、ぁああああ――っっ!!」
その瞬間は、頭の中も心もすべてが真っ白だった。
――おぎゃぁ。――おぎゃあ。
そんな真っ白な中で、私は天使の産声を聞いた。半ば放心状態で力強い泣き声を聞きながら、涙がツーッとひと雫、頬を伝う。
サイラス様が汗に濡れて貼り付く髪を撫でながら、優しく額に口づける。
「よく頑張ったな。……ありがとう、セリーヌ」
柔らかに告げられる労いの言葉が、私の目頭を熱くする。
「セリーヌ皇妃殿下。サイラス皇帝陛下。玉のような皇子殿下のご誕生でございます」
そうこうしている内に、ドクトール様が処置を終えた赤ん坊を抱えて戻り、私の腕に抱かせてくれる。
「……なんて可愛いの」