男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
宮廷にあれば、周囲の雑音も多い。俺が直接伝えずとも、彼女は自ずと知ったのだろう。それに彼女は、俺が寝れぬわけにも早々に勘付いているようだった。
「おっしゃる通りね。セリーヌ様、……そしてサイラス、あなたたちには知る権利があるわ」
セリーヌと向き合っていた母が俺を仰ぎ見る。母と俺の目線が絡んだ。
セリーヌは皇子をドクトールに預け、空いた手で俺の腕を握り締めた。
「ごめんなさい、サイラス」
「その謝罪はなんに対してです? よもや、兄皇子らを殺めたことに対してではありますまい」
母の目が俺と同じアメジストをしていたことを、何年かぶりに認識していた。
「強いて言えば、あなたのお父様を愛せなかったことかしら。それが陛下を凶行に走らせ、四人もの皇子を死に至らしめる結果を招いた」
耳にした瞬間、俺の体内の時間が止まる。虚無のただ中に放り出されたかのように、すべての感覚が遠ざかる。
「サイラス様……」
セリーヌの囁きにハッとする。彼女が腕を握る力を強くして、その感触と温もりが俺をこの場に繋ぎとめた。
「おっしゃる通りね。セリーヌ様、……そしてサイラス、あなたたちには知る権利があるわ」
セリーヌと向き合っていた母が俺を仰ぎ見る。母と俺の目線が絡んだ。
セリーヌは皇子をドクトールに預け、空いた手で俺の腕を握り締めた。
「ごめんなさい、サイラス」
「その謝罪はなんに対してです? よもや、兄皇子らを殺めたことに対してではありますまい」
母の目が俺と同じアメジストをしていたことを、何年かぶりに認識していた。
「強いて言えば、あなたのお父様を愛せなかったことかしら。それが陛下を凶行に走らせ、四人もの皇子を死に至らしめる結果を招いた」
耳にした瞬間、俺の体内の時間が止まる。虚無のただ中に放り出されたかのように、すべての感覚が遠ざかる。
「サイラス様……」
セリーヌの囁きにハッとする。彼女が腕を握る力を強くして、その感触と温もりが俺をこの場に繋ぎとめた。