男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「……ならばセリウス、これはいっときのことと思ってちょうだい。私はあなたの代役で、一時的に従者を務めるわ。あなたはその間に、このお金でしっかりと療養するの。それで健康を取り戻したその時は、私と交代してあなたが真に陛下の従者としてお仕えするのよ」
語ったのは全くのでまかせではないが、本音でもない。
暖かく気候のいい保養地で適正な治療を受けながら療養すれば、セリウスが健康を取り戻す可能性は十分にある。しかし、そこからサイラス様の目を誤魔化して再びの入れ替わりが叶うかは別問題だ。……正直、極めて難しいだろう。
「現実問題、このお金はとてもありがたいわ。……実はね、あなたに心配をかけまいと黙っていたけれど、私たちは明日からの住まいすら決まっていなかったの」
「え!? だって、お母様に手紙を送って助けを求めていたはずじゃ!? てっきり、お母様のところに身を寄せるんだとばかり……!」
初めて知らされた事実にセリウスは目を瞠り、私を見つめた。
「何度も手紙を認めたけれど、お母様からの返事はないわ」
語ったのは全くのでまかせではないが、本音でもない。
暖かく気候のいい保養地で適正な治療を受けながら療養すれば、セリウスが健康を取り戻す可能性は十分にある。しかし、そこからサイラス様の目を誤魔化して再びの入れ替わりが叶うかは別問題だ。……正直、極めて難しいだろう。
「現実問題、このお金はとてもありがたいわ。……実はね、あなたに心配をかけまいと黙っていたけれど、私たちは明日からの住まいすら決まっていなかったの」
「え!? だって、お母様に手紙を送って助けを求めていたはずじゃ!? てっきり、お母様のところに身を寄せるんだとばかり……!」
初めて知らされた事実にセリウスは目を瞠り、私を見つめた。
「何度も手紙を認めたけれど、お母様からの返事はないわ」