男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「まぁいいや、あの調子のお母様とずっと同じ部屋にいるのも息が詰まるもんね。お菓子は逃げないし、姉様とお散歩してからにするよ!」
「……え、ええ。そうね」
私は時々セリウスの言葉にドキリとすることがあったが、無邪気な彼の発言に対してどうしてそう感じるのかはわからなかった。
セリウスとふたり、手入れの行き届いた花壇の花々を楽しみながら庭園を進んでいく。
宮廷の庭園は広大な敷地面積を誇り、奥は希少樹の遺伝的な交流の観察や種子生産を目的にした樹林になっている。私たちがひとたびそちらに入れば、広い樹林の中であっという間に迷子になってしまうだろう。
「ねぇ姉様、あっちからなにか聞こえる!」
突然セリウスが叫び、整えられた石畳を外れて樹林に飛び込む。
「え!? 待ってちょうだい、セリウス!」
咄嗟に彼の背中を追った。木々の合間を縫うようにどんどんと駆けていくうしろ姿を見失わないように必死で、とてもではないが道筋を記憶する余裕はなかった。
「ちょっとセリウス! 急にどうし――」
「シィッ」
「……え、ええ。そうね」
私は時々セリウスの言葉にドキリとすることがあったが、無邪気な彼の発言に対してどうしてそう感じるのかはわからなかった。
セリウスとふたり、手入れの行き届いた花壇の花々を楽しみながら庭園を進んでいく。
宮廷の庭園は広大な敷地面積を誇り、奥は希少樹の遺伝的な交流の観察や種子生産を目的にした樹林になっている。私たちがひとたびそちらに入れば、広い樹林の中であっという間に迷子になってしまうだろう。
「ねぇ姉様、あっちからなにか聞こえる!」
突然セリウスが叫び、整えられた石畳を外れて樹林に飛び込む。
「え!? 待ってちょうだい、セリウス!」
咄嗟に彼の背中を追った。木々の合間を縫うようにどんどんと駆けていくうしろ姿を見失わないように必死で、とてもではないが道筋を記憶する余裕はなかった。
「ちょっとセリウス! 急にどうし――」
「シィッ」