男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「なんの真似だ? ……とにかく、あと五分寝かせておけ」
サイラス様は煩わしそうに額の手を払い、ゴロンと寝返って私に背中を向けた。
私はこれ幸いと掛布の端を掴み、一気に彼から引き剥がす。
「おい!? あと五分と言ったのが聞こえなかったのか!」
サイラス様は不快感を露わに私を睨みつけてくる。充血したその目を見るに、昨夜の酒宴で相当お酒を飲んでいるようだ。おそらく、寝台を温め始めたのも未明になってからなのだろう。
「聞こえております。しかし、聞き入れることはできません。マニュアルによれば『サイラス様の《あと五分》は、延々ループできり無し。故に、体調不良の場合を除き、起床時間は厳守のこと』と記されております。今しがた、体温も平熱と確認させていただきました」
私が堂々と切り返すと、サイラス様はむくりと半身を起こした。
起きてもらえたことに安堵しかけたのも束の間、私を見つめる彼の目がスッと細まり、口もとが不遜に弧を描く。
「いい度胸ではないか」
サイラス様は煩わしそうに額の手を払い、ゴロンと寝返って私に背中を向けた。
私はこれ幸いと掛布の端を掴み、一気に彼から引き剥がす。
「おい!? あと五分と言ったのが聞こえなかったのか!」
サイラス様は不快感を露わに私を睨みつけてくる。充血したその目を見るに、昨夜の酒宴で相当お酒を飲んでいるようだ。おそらく、寝台を温め始めたのも未明になってからなのだろう。
「聞こえております。しかし、聞き入れることはできません。マニュアルによれば『サイラス様の《あと五分》は、延々ループできり無し。故に、体調不良の場合を除き、起床時間は厳守のこと』と記されております。今しがた、体温も平熱と確認させていただきました」
私が堂々と切り返すと、サイラス様はむくりと半身を起こした。
起きてもらえたことに安堵しかけたのも束の間、私を見つめる彼の目がスッと細まり、口もとが不遜に弧を描く。
「いい度胸ではないか」