男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
やっとのことで大木の根元にしゃがみ込むセリウスに追いついて声を張れば、セリウスが唇に人差し指を宛がう仕草をしながら振り返り、私の言葉尻を遮った。
「セリーヌ姉様、これを見て」
セリウスが体の位置をずらしたら、血で汚れた子猫が地面に力なく横たわっているのが見えた。
「ひどい怪我をしているわ!」
目にした瞬間、私は数歩分の距離を一気に詰め、ドレスが血で汚れるのも構わずに膝上に抱き上げる。手早く子猫の怪我の状態を検分していく。
――ミャー。ミャー。
子猫はむずかるように、小さく鳴き声をあげた。
「この子は大丈夫?」
心配そうにセリウスが覗き込んだ。
「ええ。背中に走る引っ掻き傷は少し範囲が広いけれど、深くはないみたい。手当てをすればきっと大丈夫よ。ただ、ずいぶんと衰弱しているみたい。母親とはぐれてしまってお乳をもらっていないんだわ」
「だったら早くお城に戻って、ミルクをもらわなくっちゃ!」
「そうね」
子猫を腕に抱きスックと立ち上がり、樹木に囲まれた周囲を目にして愕然とした。
「セリーヌ姉様、これを見て」
セリウスが体の位置をずらしたら、血で汚れた子猫が地面に力なく横たわっているのが見えた。
「ひどい怪我をしているわ!」
目にした瞬間、私は数歩分の距離を一気に詰め、ドレスが血で汚れるのも構わずに膝上に抱き上げる。手早く子猫の怪我の状態を検分していく。
――ミャー。ミャー。
子猫はむずかるように、小さく鳴き声をあげた。
「この子は大丈夫?」
心配そうにセリウスが覗き込んだ。
「ええ。背中に走る引っ掻き傷は少し範囲が広いけれど、深くはないみたい。手当てをすればきっと大丈夫よ。ただ、ずいぶんと衰弱しているみたい。母親とはぐれてしまってお乳をもらっていないんだわ」
「だったら早くお城に戻って、ミルクをもらわなくっちゃ!」
「そうね」
子猫を腕に抱きスックと立ち上がり、樹木に囲まれた周囲を目にして愕然とした。