お見合い相手から溺愛されて困っています。
やっと混雑を抜け、車にたどり着くと人1人分くらいの大きさでシートを占領している。

店で見た時より大きく見えあかりちゃんの同じサイズくらいだった。

見比べるとちょっと笑えてくる。
この子が今日からあかりちゃんの家に連れて帰ってもらえるのかと思うとちょっと羨ましい。

俺も見たことのない部屋にこの子は連れていかれるのかぁ。
羨ましいぞ!


俺たちは結局最後まで遊んでしまったのでだいぶ遅くなってしまった。
「あかりちゃん、疲れてない?結局朝からずっと遊び回っちゃったね。」

「大丈夫です。むしろアドレナリンが出ていてめっちゃ元気です。桜木さんは疲れました?運転もしてもらってごめんなさい。」

「俺もめちゃくちゃ楽しかった。あっという間だったよ。あかりちゃんが好きだっていうのも分かるなぁ。童心に帰ったようだよ。35歳だけど…。」

「あはは。私もここに来ると29歳の子供です。」

「桜木さんがそんなに喜んでくれるのならカチューシャとかTシャツとか着ればよかった。もっと楽しくなりますよ!」

「ごめん、もしかしてあかりちゃんはいつもならやってた?」

「ここ最近はやれてないです…。でも基本大好きでやりたい派です。」

「俺も周りを見てちょっとやってみたいかも、なんて思っちゃったんだよね。35歳だから自ら率先してはいけないけど。」

「なら私が無理にやらせたら内心喜びながらも嫌な顔しつつやってくれてたんですね。」

「そうだね。しかも帰ってからコソコソ写真のチェックとかしてたと思うよ。」

ウフフ…
そんな桜木さん、可愛いなぁ。

見てみたかったなぁ。
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