年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
斉藤くんと昇降口で別れて教室へ入ると、彩が心配そうに聞いてきた。
「優菜、その後斉藤くんとはどうなってるの?相変わらず毎朝一緒に登校してるじゃない」
斉藤くんが迎えに来てくれるようになってからもうすぐ一か月になる。
毎朝20分間だけの関係。
そんな彩に私は答えた。
「斉藤くんに断るなら早く伝えないといけないよね。このまま中途半端にしておくのが一番良くないのは分かってるの」
「優菜は断るつもりなんだ。それでいいの?優菜が断った後に、斉藤くんが他の誰かとお付き合い始めちゃったら、もう斎藤くんは優菜に話しかけてもくれなくなるんだよ」
「それは・・・・。」
「優菜、そうなったとしたら後悔しない?優菜は斉藤くんに告白されたから、斉藤くんは優菜から離れて行かないって心のどこかで安心してるでしょ?それは間違いだからね」
そうだよね。斉藤くんがいつも側にいてくれているのは、斉藤くんが努力してくれてるからなんだよね。私はそれに甘えてるんだね。
彩に鋭く指摘されて、心が痛かった。
私は斉藤くんに酷いことをしてるのかもしれない。
斉藤くんに告白されてから一か月。そろそろ私が答えを出さないと、斉藤くんを苦しめてしまうのかな。
来週の試合が終わったら、ハッキリさせよう。