年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
「そう。まだ先の話だけど、私たちはその頃どうしているんだろうね」
「どうしてんだろうな。想像つかないな。でもさ、優菜とこうして過ごせるようになってからは、親と俺は別々でもいいんじゃないかな、って思っててさ。俺は優菜がいてくれたら、それだけでいいんだ。酷い息子だよな」
「前も言ったけど、私は啓太のお母さんにはなれないよ」
「ふっ、そんなの分かってるよ。俺だって優菜のお父さんにはなれないよ」
「お互いの足りないものを補いながら成長していけたら素敵だよね、啓太」
食事を終えて、啓太がお風呂を用意してくれている間に私は洗い物を済ませて。
「優菜、先にお風呂に入る?」
「じゃ、ジャンケンで勝った方が先に入ろう」
「よし!せーの、ジャンケンポン!」
「あいこで、ショ!」
「よっしゃー!俺の勝ちぃ!」
「ふん。別に勝っても負けてもどっちでも良かったもん」
「じゃ、お風呂お先にー」
啓太がお風呂に入るからって目の前からいなくなった途端、急に緊張が襲ってきた。
はぁーっ。どうしよう、ドキドキが止まらない。
啓太の前ではいつもの態度を取っているつもりだったけど、やっぱり緊張するよ。
大丈夫かな、私。
コーヒーカップを持つ手が少し震えていた。