年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
「ははっ、そうなんだよなー、優菜。それ、ちゃんと説明してもらおうかな」
「だってあれは啓太がさ。豪くんと試合観てろって言うから」
「豪先輩に頼んだのが間違いだったって言うの?」
「そうじゃないけど」
「あっ、啓太。試合中に拗ねないでよ。豪くんと啓太を見てて笑っちゃったじゃない」
「それは優菜たちが悪くない?やきもち妬くだろうよ、普通に」
「それとさ、豪くんから聞いたけど。中学の時もいつも拗ねてたんだってね。全然知らなかった。その時の啓太を見たかったよ」
「なんだよ、豪先輩。何を優菜に吹き込んでんだよ」
「あれはワザとだったって言ってたよ。啓太が私に話し掛けようとした時に必ず先に豪くんが私に話し掛けて啓太のことを邪魔してたんだって。豪くんも酷いよね」
「ふざけんなよ、豪先輩!」
二人で豪くんを悪者にしていることがおかしくて。笑いながら豪くんの悪口を言い合った。
二人にしか分からない会話について行けず、ポカンとする女の子たち。
「ってことで、俺たちは帰ります。さよなら」
女の子たちにそう言うと、啓太は私の手を取って体育館を後にした。
「啓太、三位おめでとう!頑張ったね」
「うん、ありがとう。来年は豪先輩を倒すから」
「それ、楽しみにしてるからね」
こうして啓太の新人戦は終了した。